“Monkey Magic” その4

geralt / Pixabay

“Monkey Magic”なのに続きモノです。
“Monkey Magic” その1
“Monkey Magic” その2
“Monkey Magic” その3

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普及作戦

前回は、幼稚園・保育園での早期英語教育の一環として“Monkey Magic”を……と、ノリノリで言ってみたけれど、それでは範囲が狭いな。もっと効果的な方法はないものか。“Monkey Magic”が人々に広く受け入れられ、永遠に歌い継がれるにはどうしたらいいのか。

ということを誰からも頼まれてもいないのに考えてみよう。

そうだ! 根本的に“Monkey Magic”に童謡的要素があるのだから、いっそのこと童謡化してしまうのはどうだろう。

たとえばアレンジを童謡風にしてNHK『みんなのうた』で、杉並児童合唱団が歌い、おちゃらけたアニメをつけて定期的に放送するというのは。もちろん、「えんそう:ごだいご」で。

山の上で生まれた
おたんこザル その名は孫悟空
神通力を 繰って
天界で悪ふざけ ウッキッキー
觔斗雲(きんとうん) びゅんびゅん
如意棒(にょいぼう) にょきにょき
なんてサル こんなサル 孫悟空
天上の神様 超激怒
玄奘・沙悟浄・猪八戒 一門に
参加して 向かう 天竺
*くりかえし
ちょちょちょちょいと呪文をかけて 今夜 花火がどっかぁ~ん!
ちょちょちょちょちょちょいと呪文をかけて みんな仲良し

こうして “Monkey Magic”は、商業主義のヒット曲としてではなく童謡として子どもたちに広く浸透する。

子どもたちは“Monkey Magic”を聴いたり歌ったり、時にとんでもない替え歌を作ったりしながら成長する。商業主義のヒット曲ならば、いずれ旬は終わる。子どもたちの爆発的な人気を得ると、残念ながらその期間が短くなる傾向にある。

しかし童謡ならどうだろう。『みんなのうた』や『おかあさんといっしょ』など子ども番組で歌われ、うたのおにいさんやおねえさんにレコーディングされ、ママタレントやパパタレントにカバーされることもある。同時に幼稚園・保育園での運動会、お遊戯会などの行事で歌われ、さらにそれは毎年入園する幼児に受け継がれる。

そして卒園した園児たちは成長し、ティーンになったあたりで、オリジナル“Monkey Magic”に触れる日が来る。その時、彼ら/彼女らは衝撃を受け、こう言うだろう。

「ゴダイゴ、マジかっけー! (゚∇゚*)!!」

このようなことが繰り返されるのだ、永遠に。

めっちゃすごいな、ゴダイゴ!o(^-^)o

日本語の歌詞があった!

という妄想はさておき、そういえば“Monkey Magic”には日本語の歌詞があったという話を思い出した。タケが「MORエッセイ」で書いているので、見てみよう。

 

「モンキーマジック」の時も、実は、最初は、どうしても、日本語で唄ってくれ、という強い要望があって、試したのだ。
「ガンダーラ」のほうは、曲がスローだったので、なんとか、かっこうはついたのだけれど、「モンキーマジック」のほうはひどかった。
まるで力が抜けてしまって、とても歌と呼べる代物では、なくなってしまったのだ。
テレビ局のほうも、さすがに、それはわかってくれて、あの曲は、英語のまま“GO”する事になったのだ。(「タケカワユキヒデのMORエッセイ その83 邦楽と洋楽」『FMレコパル』1984年25号、小学館、pp.146-47)

 

この話をタケは、『人生が変わる1分間の深イイ話 昭和VS平成名曲 今だから話せるありえない秘密大公開 2時間ちょっとスペシャル』(日本テレビ 2012/03/19 O.A.21:00-)でも触れている。

 

マツコ・デラックス「“Monkey Magic”は(“Gandhara”のように)日本語にしろって言われなかったの?」
タケ「本当は日本語あったんですけども、やっぱりちょっとコミックソングになってしまうので……」

 

「コミックソング」とは分かりやすい。長い時間が経過したからか“Monkey Magic”日本語版に対して「まるで力が抜けてしまって、とても歌と呼べる代物では、なくなってしまった」から「コミックソング」へ表現が変わっているが、一言で言えば、そういうことだったのだ。そりゃそうでしょ。だって……むにゃむにゃ……。

ということで、“Monkey Magic”は英語のままで歌われることになった。

 

マチャアキ「あれは英語の方が良かったよね」

と、“Havoc in Heaven”の日本語版「20億年の暗闇」を神業のように歌いこなしたマチャアキが付け加えていた。


永遠に歌い継がれる曲へ

Papafox / Pixabay

“Monkey Magic”は英語だから、あの演奏とマッチしてカッコ良く聞こえる。逆に言えば、敢えて日本語にし、コミックソングというより童謡にしてしまえば、「あの時、一世を風靡した曲」ではなく、広く人々の奥底で共通する曲となり、誰にでも歌える曲として永遠に歌い継がれるかもしれない。

「“Monkey Magic”その5」へつづく。

 

ゴダイゴ
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コメント

  1. >青空さん
    “Monkey Magic”童謡化にご賛同ありがとうございます。(^▽^)
    確かにゴダイゴの曲は、いざ歌おうとすると難しいですね。大人でもそうなのですから、子どもたちならなおさらでしょう。“Beautiful Name”は基本的には大人が歌う歌ですから、保育園でのアレンジもやむを得ないことでしょうね。
    童謡版“Monkey Magic”のイントロは、幼稚園・保育園の先生が気楽に弾ける簡易バージョンをミッキーに考えてもらうことにしましょう。日本全国の園児たちに“Monkey Magic”ブームが来るかもしれません。(*^^*)

  2. モンキーマジック童謡化、賛成です!
    ゴダイゴの曲、特に一連のヒット曲は誰からも愛される名曲揃いにもかかわらず、ゴダイゴの曲って本当に難しい。
    英語詩があることを除いても、英語詩につけられたリズムが日本人の子には難易度が高かったり、音域が子供に無理だったり、メロディーがダイナミックすぎて、子供に音程がとれないものがほとんどだと思います。
    実はうちの子は保育園の発表会でビューティフルネームを歌ったことがありますが、ピアノの伴奏が難しいからなのか、あのイントロがなかった!それだけでガッカリ・・・
    そして曲の見せ場のBメロはひどく音痴になっていて(-.-)
    英語のサビはなく『呼びかけよう名前を素晴らしい名前を』のリピート(T_T)
    それでも時を超えて、この曲を選んでくれた先生方には大感謝でしたが。
    やっぱり難しいんだなと納得しました。
    その点、モンキーマジックはメロディーもリズムも簡単。
    音域もせまいですよね。
    歌詞が日本語になってしまうことだけ目をつぶれば、きっと園児たちの楽しいモンキーマジックが聞けるのかと思うと、ワクワクします!
    ピアノでイントロは無理でしょうけれど、初めから童謡化したモンキーマジックだと思えば心穏やかに聴けそうです。

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