1978年8月27日
筆者が初めてゴダイゴの姿を見たのは『24時間テレビ 愛は地球を救う』の「夜明けのロックフェスティバル」(1978年8月27日3:30-)だったか……。
ドラマ『西遊記』(放送開始1978年10月1日)放送前だからゴダイゴというバンドを知っているわけがない。地方在住の中学生としては、「チャリティ」の意味をよく分からないままに、特別番組というお祭り気分と、世良さんとかCharさん目的で、そんな深夜、というか明け方に親に隠れて(もちろん途中でバレて叱られつつも……)見てたんじゃなかったかな。
「夜明けのロックフェスティバル」への参加は「Char with ゴダイゴ」、いやゴダイゴ自身のプロモーションも兼ねていたんだろうけども。その後、ゴダイゴは例の大ブレイクを果たし、単独で同番組に関わることになる。
つまりゴダイゴは初期からチャリティに関わってきた。そしてそのスタンスは、形を変えようとも、世紀の境を超えた現在まで続いている。
深意はともかくとして、その事実は変わらない。
1980年2月2日
ゴダイゴはネパールのカトマンズでコンサートを行った。
ネパール初のロックコンサートだった。
当時のカトマンズの推定人口30万人。ゴダイゴのコンサートの聴衆は5万5千人とも、6万人とも言われている。
~時は流れ~
2011年3月11日
東日本大震災発生。
2011年5月28日
東日本大震災から約2ヶ月後、大阪の服部緑地公園にてGodiego 35th Anniversary Special 野外コンサートが開催された。雨の中の野外公演でありながら、メンバー自ら募金箱を持って観客に募金を呼びかけたという。
その後、ゴダイゴのコンサート会場のロビーには、東日本大震災の義援金募金箱が常設されるようになった。
2015年4月25日
ネパール大地震発生。
国連を始めとし、世界中の国や機関などが救助と支援の手を差し伸べた。
ゴダイゴも日本国内からネパールへの支援を表明。
ゴダイゴのコンサート会場に、ネパール復興のための募金箱が設置されるようになった。2015年10月10-11日大阪Billboardでは、「カトマンズ」と名付けられたカクテルの売上げから一杯当たり100円が義援金となった。
2015年11月1日
中野サンプラザ。以前のゴダイゴのコンサートで集まった東日本大震災の義援金に関する報告があった。
使途を明確に把握したいというゴダイゴ側の要求を満たす募金先からの反応がなかったという理由で、東日本大震災のための義援金はネパールへ送られた。
2016年4月14日
熊本地震発生。
折しも、その数日後に結成40周年記者会見を行ったゴダイゴは、熊本支援を表明。
2016年4月22日23日
東京文化会館でゴダイゴの2daysコンサート。
熊本への義援金の募金箱が増設された。
2016年9月~
2016年9月11日
GODIEGO CONCERT 1976-2016 40th Anniversary Concert
~カトマンズ震災チャリティーコンサート~
@Zepp Sapporo (北海道・札幌)
2016年9月22日
GODIEGO CONCERT 1976-2016 40th Anniversary Concert
~カトマンズ震災チャリティーコンサート~
@Zepp Nagoya (愛知・名古屋)
2016年9月24日
さいたまトリエンナーレ2016 連携プロジェクト
GODIEGO CONCERT 1976-2016 40th Anniversary Concert
~ゴダイゴwithさいたまkid's~
@さいたま市文化センター 大ホール (埼玉・さいたま)
2016年11月3日
GODIEGO CONCERT 1976-2016 40th Anniversary Concert
~カトマンズ震災チャリティーコンサート~
@Zepp Namba (大阪・難波)
2016年11月12日
GODIEGO CONCERT 1976-2016 40th Anniversary Concert
~カトマンズ震災チャリティーコンサート~
@中野サンプラザ (東京・中野)
ゴダイゴ結成40周年記念コンサートツアーに、あえて「カトマンズ震災チャリティコンサート」という題名を添える理由は何だろう。ネパール関連機関のバックアップの可能性でもあるのだろうか。それとも主催が実行委員会形式になったために、相応な名目が必須だったのか……。
オフィシャルサイトには収益金からどの程度をカトマンズに送るのかなど、具体的な内容が示されていない。「売り上げの一部を」や「**%を」や、「予定」とも「未定」とも書かれていない。「チャリティコンサート」の定義がよく分からないが、もしかすると会場に募金箱を設置するだけでも「チャリティ」になるのかもしれない。
ノブレス・オブリージュ
2016年、ゴダイゴは、これまでにないほどチャリティ活動に精力的である。結成40周年をむかえた今年は特に。これは「ノブレス・オブリージュ」の現れか。
著名人が、自身に縁のある被災地に支援を行うのは納得できる。たとえば新潟県出身の小林幸子さんは2004年に起きた中越地震の被災地と2016年現在でも関わり合いがあるという。
1980年にネパールでコンサートを行ったゴダイゴ。当時、国を挙げてコンサートを成功に導いてもらったゴダイゴが、ネパールの復興を支援したいという気持ちは分かる。2016年後半のツアーで「カトマンズ震災チャリティー」と特定の被災地を掲げるからと言って、コンサート会場から東日本大震災と熊本大地震の募金箱が消失するとも思えない。別の目的で集めた募金を自らの拘りからまたネパールへ送るつもりでもなかろう。
けれどもここまでのゴダイゴのチャリティ活動と、これからの「チャリティ~」と銘打った2016年後半ツアーの一覧を概観していると、なぜかな、胸の奥の奥がざらっとするんだ。
みちのくへ名も無き花のひとしずく
海を渡りて声も届かず
コメント