「MORエッセイ」を探して その2
-Gateway to the Dragon編-
その2の今回は、国会図書館の入館編。
国会図書館って、どんな感じか興味のある方はどうぞ。
前回のことを思い出したい方、「なんで国立国会図書館なの?」という方は、ココ(その1-Prelude編-へ)をクリック。
国会図書館を使った経験のある方には既知の情報だと思うので、次の「その3-Deep Red編-」へジャンプをおすすめします。
国会図書館到着
というわけでやってきました永田町。
永田町駅から国会図書館に行くまでに国会議事堂の一部がほんの少し見えるだけで、例のギザギザの屋根は見えない。だから観光気分はちっとも味わえない。
国会図書館の敷地に入ると、本館と新館の建物が目に入る。
利用登録してない人は、新館で入館手続きをする。利用登録している人は本館と新館、どちらからでも入ることができる。
当日一日利用だけでもOK。だから必ずしも利用登録しなければならないというわけでもない。
国会図書館は地域の図書館と違って、かばんの持ち込みが禁止されている。入り口近くのコインロッカーにかばんを預ける。ちなみに100円。使用後にお金は戻ってくるので、そこらへんは良心的だ。
財布などの貴重品、筆記用具、パソコン、飲み物、お弁当などは、コインロッカーコーナー入口にある透明のビニール袋に入れれば、持ち込み可能。飲食は場所が決められている。このビニール袋は、一人で2枚使ってもいいそうだ。警備員さんが、「飲み物を別にすれば、それだけ持って行けるから便利」と教えてくれた。
カメラ、携帯音楽プレーヤー、刃物など持ち込みが禁止されているものもある。
持ち込む荷物を所定のビニール袋に入れた後、入館手続きをとる。
館内へのゲートの手前に「館内利用者カード」発行機が設置されている。その発行機に、氏名、電話番号などを入力。すると、大きく番号が記載されたカードが発券される。
このカードを、通勤/通学定期券のように読取り機にかざしてゲートを通る。(カードは退館時に回収される)
館内にて
館内に入ると、一部のコーナーにPCがずらり。
国会図書館の館内に書架はない。「閉架式」といって、PCでの閲覧申し込みに基づいて、係員がどこからともなく本を取り出して来て、専用カウンターで受け取る、という流れ。
検索
「館内利用者カード」を、PC画面の前にあるカードリーダーにさくっと差し込んで、検索画面を呼び出し、タイトル欄に次のように入力する。
『FMレコパル』
あとは、自宅のPCで下調べしたときと同じ検索結果がうじゃうじゃ表示される。
左肩の「所蔵詳細/申し込み」ボタンをクリックすると、これまた気絶しそうに細かい一覧が表示される。
自宅から検索したときには、資料の有無しか調べていなかったのだが、今度は<第何号>を閲覧するのか指定しなくてはならない。
これがちょっと厄介だ。
『FMレコパル』は雑誌なので、保管方法が特殊だ。3、4冊まとめて製本されて1冊になっている。だから検索結果一覧から目当ての号数を見つけ出すには、少しコツがいる。
たとえば、「タケカワユキヒデのMORエッセイ その1 M・O・Rを探して」が掲載された1981年第21号を探すとしよう。
「所蔵詳細」画面の「巻号年月等」欄を見ると、こんな感じ。
意味不明。謎の暗号にしか見えない。
これは右から
と読むことができる。
「第8巻」の「巻」は、たぶんだけど、創刊年を第一巻として、翌年を第二巻、三年目を第三巻と数えるんじゃないかと思う。だから1974年創刊の『FMレコパル』の第8巻=1981年、ということじゃないかな。
つまりさっきの暗号を解読すると、以下のようになる。
「タケカワユキヒデのMORエッセイ その1 M・O・Rを探して」が掲載された1981年第21号は、この中に入っていることが分かる。
閲覧申し込み
で、やっと閲覧申し込み作業に移る-
面倒くさい。おまけに字が小さくて、貧血を起こしそうになる。
でも、一人でがんばらなくても大丈夫。PCの使い方がわからなかったり、画面の見方が分からなかったりしても、係員が近くで待機しているので安心だ。
たとえば、「『FMレコパル』1981年第21号を探してるんです。」と言えば、「館内利用者カード」の差し込み方、画面の見方から閲覧の申し込み方法までちゃんと親切に教えてくれる。もちろん PC 画面に向かって言うんじゃなくて、係員に。(笑)
閲覧申し込みは、一度に6冊×3件=18冊できる。雑誌の場合は、前述したように3、4冊が束ねられて製本されている。それを「一冊」と数える。
とにかく「所蔵詳細」一覧で出てきた各行の右端に「選択」ボタンが表示されるので、6個までクリックできる。その6個をひとまとまりとして「一件」と数える。
これをあと2回繰り返せば最大冊数の閲覧を申し込める。
……わかりにくい。
受け取り
貸し出しの準備ができると、雑誌受取りカウンター前に設置された電光掲示板に自分の「館内利用者カード」の番号が表示される。
利用者は番号が表示されるのを待っていればいい。電光掲示板の向い側に椅子が並んでいて、そこで本を読んで待っている人もいる。どこかで見た光景に似ていると思ったら、病院の会計を待つロビーみたいだ。
自分は本が出てくる間、何をしているかというと、トイレに行ったり、本館6階の食堂でお弁当を食べたり、新館1階の喫茶室を物欲しそうに覗いたり、館内を意味もなくウロウロして不審に思われたりしている。
電光掲示板で自分の番号が表示されたら、新館にある雑誌専用の受取り取りカウンターで「館内利用者カード」を提示して、本を受け取る。冊数が多くて重くなっても、カートが準備されているので、腕力に自信がなくても心配いらない。
返却するときも「館内利用者カード」で管理される。閲覧申し込みから実際に受け取るまで、20分位かな。だから国会図書館は、時間の余裕があるときでないと使えない。
筆者が初めて国会図書館を使ったとき、PCの使い方が分からなくてモタモタしていたこともあって、入館ゲートを通り、検索の後、閲覧申し込みしてから実際に現物を受け取るまで、たぶん40分~50分かかったと思う。国会図書館では1冊受け取るのも結構手間ひまがかかる。
『FMレコパル』
もちろん忘れてはいない。
国会図書館には、「MORエッセイ」を探しに来たのだ。
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