「MORエッセイ」を探して その1―Prelude編―
今回から何回かは、ゴダイゴの<音楽>のことには一切触れない。
本稿は、筆者が「MORエッセイ」を探した際に遭遇した体験を記録することが主な目的である。
衝動はある日突然に
何を思ったか突然「MORエッセイ」が読みたくなった。
お気づきとは思うが、タイトルは、「MORエッセイ」第一回のタイトルである「M・O・Rを探して」のパロディというかオマージュというか……。(『タッタ君現わる』 p.69)
念のために確認しておくと、「MORエッセイ」とはかつて小学館が発行していた『FMレコパル』という雑誌で、タケが連載していたコラムのタイトル。正式には「タケカワユキヒデのMORエッセイ」。
Wikipediaによれば、『FMレコパル』は「1974年創刊、1995年廃刊」。
タケの連載期間は、1981年第21号から1985年第15号までの100回。+第16号でアンコールとして再登場し、終了。連載期間には1985年のゴダイゴの解散、じゃなくてINTERMISSION(活動休止)の前後も含んでいるので、タケファンじゃなくてもゴダイゴファンには興味深い内容が多い。
第1回から第45回までのほとんどがまとめられ、『タッタ君現わる』という単行本になって発行された。
『タッタ君現わる』の奥付によれば、発行日は昭和53年(1983年)8月1日。書誌情報を端的に書くならば、次のとおり。
タケカワユキヒデ『タッタ君現わる』小学館、1983年
(ISBN4-09-363131-X)
ファンとしては『タッタ君現わる』未収録のエピソードや、第46回以降を収録した第2巻が発行されると信じて疑わなかった。しかし2011年7月現在、残念ながらそれは叶っていない。
今年のゴールデンウィークあたりから、まるで真夏のゲリラ豪雨のように激しいゴダイゴ熱にふたたび襲われている筆者は、突然『タッタ君現わる』未収録のエピソードが、むやみやたらに読みたくなった。
理由はない。
とにかく読みたいのだ。
図書館へ行こう
当時、『FMレコパル』の「MORエッセイ」のページは、大切にスクラップしていたはず。しかし度重なる引っ越しで紛失してしまっていた。だが、紛失しているってことは、「大切に」ではなかったのかもしれない……。
こういうときには図書館が非常に有効だ。
かねてより図書館を頻繁に使っているので、迷うことなく行きつけの杉並区立図書館のサイトで検索をかけてみた。
「検索結果は、0件でした。」
そっけない。
次に、なんとか歩いて行ける距離にある中野区立図書館のサイトで検索をかけてみた。
「検索結果は、0件でした。」
まじですか?
電車に10分くらい乗れば多分行ける新宿区立図書館はどうだろう。
「検索結果はありません。再度条件を指定してください。」
……。
「FMレコパル」と入力しようが、「エフエムレコパル」と入力しようが全然ダメ。
頼れるぜ国会図書館
……よしわかった。
こうなったら、困った時の国立国会図書館。
国会図書館ならあるはずだ。なぜならば、国立国会図書館は「納本制度に基づいて、日本国内で出版されたすべての出版物を収集・保存する日本唯一の法定納本図書館」なのだから(Wikipedia)。
そして18歳以上であれば、誰でも入館、閲覧できる。館外への貸し出しはできないが、コピーはできる(国立国会図書館サイト 「利用者案内」より)。だから、『タッタ君現わる』未収録の回を全てコピーしようとなどと目論んでいた。
ということで、国立国会図書館の検索サイトにアクセス。
画面右側一番上の「一般資料の検索/申し込み」をクリック。
「書誌 一般検索」画面になったら、
「和雑誌新聞」のチェックボックスに?を入れて、
タイトルに「FMレコパル」と入力→「検索」
うじゃうじゃ出てくる。うじゃうじゃ。
ちゃんと所蔵されてるではないか。わーっはっは(笑)。
関東版に関西版に、エトセトラ。
そうか、昔は東版/西版ってなってたのか~、って、そんな事まで分かって感動したりして。
さすが国民の味方「国立国会図書館」!
笑いが止まらなかった。
狂喜乱舞だった。
そして翌日。2011年7月22日金曜日の午後-。
いそいそと国会図書館の最寄り駅である永田町で降りた。
えーと、毎回長すぎることを反省しているのと、何よりも、その反省の甲斐なく、今回のテーマが更にもっと長~くなりそうなので、ここで一回ブレイク。
次回、「『MORエッセイ』を探して その2-Gateway to the Dragon編-」へ続きます。
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