「タケカワユキヒデ 僕のソングブック~X'mas Special」
2011年12月21日(水)19:00~21:10頃
於:Sonorium (ソノリウム)(東京都杉並区和泉)
なぜか続きモノです。すごーくお時間のある方は↓からどうぞ。
セットリスト
「タケカワユキヒデ 僕のソングブック~X'mas Special」レポその1
前回は、タケのX'mas Specialの第1部、第2部についてレポした。
今回は、第3部のゴダイゴコーナーを振り返ってみよう。
【注】しつこいようですが、以下はすべて筆者の頼りない記憶に基づく再構成です。会話部は、タケのMCからきっとこういうやり取りだっただろうな~という想像です。したがって発言者本人の言葉通りではないと思います。予めご了承ください。
ガンダーラ話1
ゴダイゴコーナー1曲目の「ガンダーラ」を歌う前に、同曲にまつわるMCがあった。「ガンダーラ話」というらしい。
まぁ、ファンなら誰でも知っているエピソードもあるが、面白かったのでまとめておこう。
ゴダイゴは「ガンダーラ」をヒットさせなければ解散、という状況下にあった。それでミッキーはイントロからヒットを狙って「ガンダーラ」をアレンジした。
ゴダイゴがブレイクする前あたりから、歌番組が増え始めた。筆者注:「紅白歌のベストテン」(NTV)や「夜のヒットスタジオ」(フジテレビ)は60年代後半から続いていた。そして、それらに加えて1978年1月に「ザ・ベストテン」(TBS)の放送が始まる(Wikipedia2011/12/29閲覧)。
ちなみにシングル版「ガンダーラ」は同じ年の1978年10月1日発売、アルバム『西遊記』は同年10月25日、シングル「モンキー・マジック」は同年12月25日発売(Discography)。なんてグッド・タイミングだったんだろう。
ゴダイゴのテレビ出演が決まると、いよいよタケはコンタクトレンズを装着し、髪の毛を自分で切ることをやめ(笑)、少しはきれいな格好をするようになる。
さらにミッキーは-
「ヒットグループにはボーカルがいる。真ん中でマイクを持って立ってるヤツがいないとダメなんだ」
と言い、タケを指名した。
タケ「(ボソッと)かわりにミッキーがやるって話もあったんだけど……」
観客「(爆笑)」
タケ「Tommyはいつでもやりたかったんじゃないかな。Tommyは前へ出てくる時、靴履いてないし……」
観客「(爆笑)」
タケ「いや、その話をしたいんじゃない!(笑)」
タケって、今でも急に何を言い出すか分かんないんだな~。昔、MCをさせてもらえなかったのも理解できる。(笑)
「ワンハーフ」
当時、歌番組では、新人の持ち時間が短かった。ベテランは長い時間をもらえたらしい。力関係かもしれないが、当時ゴダイゴは新人同然で力もない。だから、当然持ち時間が短かった。
テレビの場合「ワンハーフ」という短いバージョンで演奏される。タケの説明で理解できなかったので、ネットで調べると、どうも「1番(昔はAメロ、Bメロという概念はなかった)(+間奏)+サビ」という構成のようだ(「OK Wave」2011/12/30閲覧)。で、「ガンダーラ」をワンハーフにしたら、持ち時間に納まらない。そこで-
ミッキー「A、B、サビ、サビ、サビでやろう」
タケ「えっ、いきなり3回サビやんの?」
ミッキー「とにかく、サビの♪ガンダ~ラ、ガンダ~ラ♪を覚えてもらえれば、ヒットするから」
持ち時間が最も短かったテレビ朝日のある番組では、この「A、B、サビ、サビ、サビ」で演奏された。タケは「これでいいのか? 平気か?」とか思いながら歌った。3回目のサビの時には笑っていたという。
DVD BOXでカクニン
筆者注:DVD BOXで、その片鱗が確認できる。
1978年12月18日『紅白歌のベストテン』(Disc 1)「A、B、サビ、間奏、サビ、サビ」(約2分30秒)。
1978年12月24日『レッツゴーヤング』(Disc 8)「A、B、サビ、間奏、2番B、サビ、サビ、サビ」(約2分45秒)。『紅白歌のベストテン』に比べて持ち時間が少し長い。それにもかかわらずイントロが半分なのは、サビのリピートを増やすためなのだろうか。
1979年12月2日『レッツゴーヤング』(Disc 8)「A、B、サビ、サビ」(約1分30秒)。メドレーの中の一曲なので特に短いバージョンになってると思われる。
比較としてフルで歌われているMAGIC CAPSULE版(Disc 1)は「A、B、サビ、間奏、2番A、B、サビ、サビ、サビ」(約3分30秒)。
ついでにアルバム『西遊記』では5分21秒。
タケ「とにかくあの頃は♪ガンダ~ラ♪ばっか言ってましたね~(笑)」
♪ガンダ~ラ、ガンダ~ラ♪のリピートには、そんな裏話があったのだ。
ガンダーラ話2
もうひとつ、その頃の「ガンダーラ話」を-。
あるテレビ番組の収録で、「ガンダーラ」の演奏中にディレクターに突然止められてしまったことがある。
タケ「(心配そうに)誰か何かやった?」
ディレクター「(上のブースから偉そうに)歌詞間違えんなよ」
タケ「えっ、歌詞、間違えちゃダメなの?」
歌詞を間違えたと言っても、「てにをは」一つ間違えただけだったとういう。
タケが歌詞を間違えるのは珍しくない。筆者も何度か遭遇したことがある。たとえば「ガンダーラ」で♪そこへ行けば どんな夢も かわるというよ♪とか(変わっちゃダメでしょ)、“Portopia”で♪森という名の森を育てよう♪とか、“Holy and Bright”の♪それは昔の話で♪(正:♪それは僕らの心に♪)などである。
タケ「歌詞って間違えちゃダメなんだ、と思いましたね(笑)」
という具合に、ゴダイゴコーナーは「ガンダーラ話」から大いに盛り上がり、“Monkey Magic”、“Holy and Bright”(以下セットリスト参照)と軽快に進んだ。
聴きたい曲
タケのガンダーラ話やゴダイゴにまつわる話はとても面白かったんだけど、ゴダイゴのヒット曲はタケソロライブではもう聴かなくてもいいな。ゴダイゴで聴きたいから。
どこかで書いたような気もするが、もう一度書こう。筆者はタケファンだが、ゴダイゴの方がうんと好きだ。タケソロライブでは「ガンダーラ」を始めとするヒット曲は、タケが弾くピアノに、タケが作ったオケが重なる。しかし、もう、もう、ゴダイゴとは全然センスが違う。
その代わり、タケソロでは”Lyena”も聴きたいし、“Emptiest Feeling”(「白い街角」)なんかもライブで聴いてみたい。他にも聴きたい曲はたくさんある。セットリストを作らせてほしいくらいだ。
アンコール
今回特筆すべきはアンコールの”Sleep My Angels, Sleep”だ。タケがMCで「ふだんあまりやらない曲を持ってきました」と言ったのは、この曲のことだ。
とにかく出色の出来だった。タケの声が時にアレでもない、むにゃむにゃでもない。深く、伸びがある”Sleep My Angels, Sleep”は、幼い頃、父の両腕の中で眠った時の心地よさを思い出させる。いい意味で年齢を重ねたことで、アルバム版より包容力が増したと思う。
帰り道、”Sleep My Angels, Sleep”の余韻に浸りながら思った。
やっぱりタケが好きだ。
もっともっと、もっとタケの曲を聴きたかった……。
「タケカワユキヒデ 僕のソングブック~X'mas Special」レポおわり。
拙文を読んでいただき、ありがとうございます。
2012年が、良い年でありますように。
コメント
回答ありがとうございました!
DVDでレッツゴーヤングではDEAD ENDとCharさんとのステージでもセンターでマイク持ってましたね!その頃からの取り組みだったのですね。。。
この記事のレスを見て1980年の紅白もYouTubeで見ました~~~
字幕が出ていてタケさんがアップだったので楽しく拝見しました(笑)
こんばんは、トラまるです。
どうしても我慢できずにコメントします。
ガンダーラにて真ん中でマイクを持って歌うことになったタケさんの話は私も去年ラジオ深夜便で聴いた気がします。で、質問です。
ミラージュボウル前夜祭の画像はネットで検索するとでてきますね?
確かガンダーラよりも前ですよね?なのにタケさんがマイクを持って歌っているように見えます。あれはどんな状況なのでしょうか?
ご存じでしたら教えてくださいm(__)m
トラまるさん
コメントありがとうございます。
>確かガンダーラよりも前ですよね?なのにタケさんがマイクを持って歌っているように見えます。あれはどんな状況なのでしょうか?
ご存じでしたら教えてくださいm(__)m
知らないです。(*・・*)キッパリ
が……
たぶん、想像すると……
バンドとして売れるために、リードボーカルを真ん中に置いたのだから、売れようとしてがんばっていた途中、つまり「ガンダーラ」発売以前に出演したTVやイベントやなんかの時に、タケが中央にいても不思議はないです。
かなり記憶があいまいになっていて、自信はないのですが、えっと……、「ガンダーラ」がタケ中央設置の最初の曲って言ってましたっけ……?
んー、どうでしたかね……。
私の理解では、そういうことです。
たしか、最初のDVD BOX Disc(Godiego Collectors’ DVD BOX 2011発売)に収録されているNHK『レッツゴーヤング』の“Dead End~Love, Flowers, Prophecy”も、「ガンダーラ」が出る前の出演の映像で、マタギチョッキのタケが中央にいたような気が……(遠い目)
DVDが見られないので確認できなくてすみません。
青空さん
コメントありがとうございます。
インターネットが繋がらない状況下で遊び呆けていたので、レスが遅くなってすみません。
青空さん、ジョニーさんの詞が少ないなんて、鋭いっ!
私なんて、まったく気付いていませんでした。
> ここはtiaraさんのブログなのに余計なことをたくさん書いてしまってすみません。
余計なこと、たくさん書いていいのです。
ただし、ゴダイゴにかかわることでお願いします。(笑)
tiara様
そしてABCDE気持様
やはりジョニーさんの詞の曲は少ないんですね。
みんなが楽しめるかどうか(メンバーも観客も)って問題は大きいんでしょうね・・・
私はFLOWERとか、今となってはM.O.R.の曲もそれ以前のものに引けを取らないくらい大好きなのに、ちょっと残念に思いました。
そもそも、ジョニーさんの詞少ない?と思ったのは、tiaraさんのタケソロへの期待の件を読んで、私はタケソロ名義の『ドキドキサマーガール(英語に限る)』と『グレープシード』がすごくすごく大好きなので、あれ~?そういえばと思った次第です。
あふれんばかりの知識を披露してくださっているABCDE気持さんのご発言の中に自分の名前を発見してちょっと感激してしまいました。
ここはtiaraさんのブログなのに余計なことをたくさん書いてしまってすみません。
tiaraさんはじめゴダイゴ好きの皆様、本年もよろしくお願いいたします。
ABCDE気持さん
CCレモンホール情報、および、私の誤認情報も補足をいただきありがとうございます。
> 「森と名付ける森を育てよう~♪」…実に奥の深い歌詞ですな(笑)。
ある意味哲学的です。(笑)
名作中の名作です。
ABCDE気持さん、今年も引き続きこんな感じで、情報をいただけるとうれしいです。
よろしくお願いいたします。
tiara_remixさん、あけましておめでとうございます。
今年も熱い記事を楽しみにしております。どうぞよろしくお願い致します!
> しかし新生ゴダイゴ以降あまりジョニーさん作詞の曲はやっていない気が
するのですが、気のせいかなあ。
青空さんのご指摘はまさにその通り! 2006年の再始動後のワンマンライブ
で演奏されたものだと以下の6曲のみになります。
2006年10月~11月のPremium Concert(東名阪)…「M.O.R.」
2007年10月26日CCレモンホール…「SWEET LITTLE TROPICAL GIRL」「GUILTY」
2008年11月22日CCレモンホール…「ONLY SILENCE」「WHAT MORE CAN I SAY」
2011年12月13日 GODIEGO NIGHT…「PIANO BLUE」(←再始動後初)
2006年Premium Concertでは「Miracle」も演奏されたそうなのですが、
私は観に行けず、トミー作詞版かWilliams作詞版かは不明です。
あと81~85年に発表された曲でも、奈良橋さん作詞だったり(Carry Love)、
トミー作詞だったり(Tears)、日本語詞メインでWilliams作詞分が殆どない
楽曲だったり(ザ・サンライズ、魔法のあかり)するわけです。
あと、「ポートピア」の歌詞違いは1980年の紅白でしたね。
「森と名付ける森を育てよう~♪」…実に奥の深い歌詞ですな(笑)。
青空 さん
コメントありがとうございます。
共感していただけてとても嬉しいです。
> しかし新生ゴダイゴ以降あまりジョニーさん作詞の曲はやっていない気がするのですが、気のせいかなあ。
そうかもしれませんね。
ジョニーさん作詞の曲というと……、"Piano Blue"が定番化してますかね。
私は、2006年~2010年の活動をDVD BOX以外ではまったく知らないのですが、もしかすると、DVD化されていない2010年以前のシブコーライブで演奏されているかもしれません。
ですがいずれにせよ、ファンが喜びそうな曲となると、やはり初期=奈良橋氏作品に集中するのだと思います。
青空さん、いつもコメントをいただいて、本当に嬉しかったです。ありがとうございました。
どうぞよいお年をおむかえください。
tiara様
年内に間に合わせてレポをアップされるとは私にとっては嬉しい限りです。
そうですね、ほんとにソロではソロのものを多くやって欲しいですよね。
レナの曲はどれもゴダイゴを凌ぐほど大好きだし、白い街角の曲も英語でやってくれたら大歓迎だし、もともと英語のグレープシードはソロの中では一番かもしれなくらい大好きな曲だし。
しかし新生ゴダイゴ以降あまりジョニーさん作詞の曲はやっていない気がするのですが、気のせいかなあ。
今年はtiaraさんのブログ、本当に楽しく読ませていただきました。よいお年をお迎えください!