今、そこに、1978年のタケが……! | Miscellany
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今、そこに、1978年のタケが……!

skeeze / Pixabay

『キタキツネ物語 ALTERNATE SOUND TRACKS+タケカワユキヒデ ホームレコーディングデモin1978』

前回の分を読み返してみたら、前回は『キタキツネ物語』disc 1とDENON Liveの事だけで、disc 2の『キタキツネ デモ』の話をほとんどしないで終わってしまった。
今回はちゃんと書こう。

テーマは“Time for You to Go”(「囁き」)。

レイラが子どもたちに歌う曲。
生命が尽きつつある彼女が、子どもたちに旅立ちを促し、母としての深い想いを語る。

タケの歌もピアノも素敵。
それにもかかわらず、ここでは曲以外に耳を傾けてみる。

これが「ちゃんと」かどうかはさておき。
この曲は非常に有機的だ。
聴くとすぐ気づくが、スタジオで録音された公式版では絶対にあり得ない「軋み音」が入っている。
筆者のこの曲の萌えポイントはズバリこの「軋み」。なぜか他の曲では全く気にならないのに、この曲だけ「軋み」が目立つ。

何かが……、

タケの歌とピアノに寄り添うように、木でできた何かが軋んでいる。

「ギィィッ……、ギィィッ……」

椅子……?

だとすれば、タケが座っている椅子かもしれない……。うん、そうだ、そういうことにしよう。タケが座っている椅子が軋んでいる。間違いない。(こういうときは事実より思い込みの方が大事だ)

目を閉じて聴いてみる。
音符をかいくぐって、軋みが浮かんでくる。

「ギィィッ……、ギィィッ……」

ううっ、なんという臨場感!

この不規則な音は、タケの気配を醸し出す。まるでタケが目の前で歌っているようだ。それも自分だけのために!
ああ、1978年に生きるタケが、今、そこで、動いている!!

もっ、萌え~。
(たぶん、この文脈での使い方で合っていると思う)

“Time for You to Go”は、『タケデモ06』にも収録されていて、このバージョンでは、タケはファルセットで歌っている。軋み加減を比較するのもいい。(え、そこ?)
『タケデモ』シリーズは、ホームレコーディングならではのオマケがついてくることがある。(ボーナストラックのことではなくて。)

たとえば前回扱った“Laughing in the Sunshine”では、エンディングで秒針が進むような「カチカチ」という音が残る。メトロノームでもないし、何かの音響効果であるはずもない。スタジオ録音なら絶対にあり得ないノイズだろう。

しかしデモ版なら許される。音源を推測するのも楽しい。もし時計だとしたら、どんなデザインの時計なのかな、なーんて。

そういえば、この夏休みの帰省で実家にまだビデオデッキがあることを知って、物置から引っ張り出し、ホコリまみれで配線を施して、ビデオ版『マジック・カプセル』を超、超、超~久しぶりに見た。

そこにタケが1人でピアノを弾きながら作曲をしている場面がある。
ピアノが壁に向かって置かれているのだが、その壁に振り子時計が掛かっている。

あれがタケの自宅かどうかは知らないが、もしかしてあの時計の音かな、と想像したりした。
とはいえ、この「カチカチ」音はどうも無機的でつまらない。

一方“Time for You to Go”の軋みは、タケの身体の動きと直結している。つまり、椅子が軋むということは、ピアノを弾いているタケが、姿勢や重心を変えているということだ。

軋みは、タケが「今、そこにいる」という「存在」を示す。だからテンションがあがる。

この軋みは、1978年へのタイムスリップに誘う。

「ギィィッ……、ギィィッ……」

おうっっ……、今、そこに、25歳/26歳のタケがぁぁぁ……っっっ!!!

“Time for You to Go”の軋みに、激萌え。

……え、もはやキモヲタ?

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