『タケカワユキヒデ/ホームレコーディング・デモ ARCHIVE SERIES VOL. 1』
“You Know”
どうしても言いたくてたまらないトピックなので、引き続き『タケデモ01』の話を……。
“You Know”
Amazonの『タケデモ01』のレビューがすこぶるいい。
この評判のよさは、間違いなく、間違いなく、間違いなく、武川光男氏に負うところが大きい。
一応紹介しておくと、武川光男氏はタケのすぐ上のお兄様。(ちなみに、タケは三兄弟の一番下。リアルタイムのファンにはもはや常識かな。)
『タケデモ』シリーズでは、この光男氏が、ドラムにボンゴにコーラスにと、大活躍。
筆者のお気に入りは、“You Know”。タケが16歳の時の作品。
歌詞もメロディも、ピュアでかわいい。(幼いという意味ではなくて。)
それに、とにかくタケと光男氏のコーラスが、ものすごく美しい。
コレ、最近まで『走り去るロマン』に入っていると思ってたんだけど、実際は入っていない。
LYENA でもない。『白い街角』なワケがない。
え~、どこに入ってるんだろう……。
なんで知ってるんだろう……。
どうして半ば歌えちゃったりするんだろう……。
あちこち探してみたけど、結局のところ公式版はないのかも。(『タケデモ』以外に、ここに入っているよ、ってご存知の方はおしえてください。)
なぜ自分がこの曲を知っているのかとじっくり考えてみた。
以前、タケがFMで石川鷹彦さんとコラボをやったことがある。
それを録音したテープを聴き倒したからだろうか。
う~ん……。
判然としない。
兄弟ならではのハーモニー
ま、それはさておき。
とにかく、"You Know"に対する筆者の認識は、まあ悪くない曲だと思うけど、可もなく不可もなく、っていう程度。だからあんまり思い入れのない曲だった。
だけど、このタケカワ兄弟の"You Know" は、いい!!
とにかく、ハーモニーが美しい。
その昔西洋では、音楽のハーモニーが宇宙の調和と呼応するという、今にしてみればスットコドッコイな思想があったけど、タケカワ兄弟の“You Know”を聴くと、特にサビ、♪make me warm without a wine♪のところとか、ハミングの部分なんて、こんなに科学が発達した21世紀に生きているというのに「宇宙と調和してるかも……」と、思う。
ザ・ピーナッツからTommy
コーラスって、(これは音楽的な根拠はまったくなくて、単に、自分が感じていたことだけど)、正しく音を取っていれば、必ずしも美しく聞こえるというわけでもない。
ハモっている人間の関係によって、同調性が微妙に変わるように思う。
ハーモニーが美しく聞こえる関係の順序は以下のとおり。
第一位 本人。または一卵性双生児。(例:ザ・ピーナッツ。……って、古っ……。)
第二位 親きょうだいとか子どもとか、血縁者。
第三位 Tommy Snyder。(笑)
多分、理由は、DNA?
共通の遺伝子を持っていると、声の波長だか周波数だかが似て、同調性が高くなるのかも。(科学的根拠ゼロ。単なる思い込みかもしれないけど)
だから"You Know" で、タケと光男氏のハモりが美しいのは当然といえば当然だ。
本人解説
タケの解説によれば、"You Know"は、
「ビートルズの…(略)…、TILL THERE WAS YOU のようにディミニッシュ(減4度和音)のコードがうまく使えていて、ホワイトアルバムに収録されている I WILLのようにやわらかい雰囲気で歌える曲が書きたいと思って、作った曲」(n.pag.)
だそうだ。
意味ワカラン……orz。
筆者は音楽の専門用語にも疎いし、ビートルズが分からない。ビートルズなんて、タイトルしか歌えない。♪Let it be~ ♪Yesterday~ ♪She Loves You yeah, yeah, yeah~とか。
だから筆者にとって、このタケの解説は名詞の部分がほとんど「何語デスカ?」。
残念ながら解説の意味をなさない。
ただ、"You Know"が、どういう曲なのかは、『タケデモ01』を聴いて分かった。
"You Know"は、ほんわかした、あったかい空気で、聴く者のハートをふんわり包み込む、そんな曲だ。
これは間違いなくタケの解説ではなく、武川光男氏のおかげだ。
スゴイ!
光男氏は、タケの解説によれば、「録音の寸前に」曲を聞いて、「三回から五回ぐらい」の練習で、これだけの演奏とコーラスまでやっちゃうそうだ。スゴイ!!
で、「一発録音」(同CD、 "Don't You Sympathize with Me"解説、n.pag. )。
で、彼がスゴイのは、ハモりが美しいだけではない。
その表現力だ。
"You Know"ではそっと寄り添うように、そして包み込むように、“Crime”では切なく、筆者が「チャラい」と評した“Bye Bye Claudia”では、しっかり「チャラい、あんちゃん」でコーラス入れて、“You’re My Babe”では、シャウトまでしちゃう。
マジすげー、この人。あっ、この方。こちらの方。
いやぁ~、この兄にして、この弟あり。
おそるべし、タケカワ兄弟!!!
コメント
ABCDE気持さん
コメントありがとうございます。
やっぱり、そうでしたか。
"You Know"は、その後も正式にレコーディングされてなかったんですね。
すごく良く覚えているので、当時の私は、「HONDA LIVE IN ’84」の録音テープをよほど何度も聴いたんだろうと思います。覚えやすい曲でもありますしね。
コード進行の解読も、ありがとうございました!!
手元に楽器がないので、実際に弾いてみることができないのがとても残念です。
……って、簡単なコードしか押さえられない<超初心者段階挫折組>ですが……。/(^^)
FM東京で1984年6月3日にオンエアされた
「HONDA LIVE IN ’84」で"You Know"なる
未発表曲を演奏した、とは聞いたことが
ありましたが、この「Vol.1」に収録された
同名楽曲だったわけですね。それ以外では
既発売メディア(CD等)に収録されたことは
ありません。
ディミニッシュコードを使った曲、ということで
自分でコードを取ってみたら、冒頭のAメロで
B→F#dim→B→E C#→A♭dim→C#→F#
という具合に進行するんですね。
もっと簡単なコード進行かと思っていたのに
意外でした。
(他にディミニッシュを使った楽曲でいうと、
「The Great Sea Flows」のサビの"wind ~"
の辺り。私はこのフレーズが大好きです。)