ヴィジュアル系?
2012年2月25日の当ブログ記事『僕らのルーツはこれだ!』に書いた推測が、外れたかもしれない。
『僕らのルーツはこれだ!』の「あとがき」に掲載されているアサノさんの片肩丸出し衣装に太いチョーカー姿の写真を「ヴィジュアル系ロックギタリスト」と称賛し、「チャコヘルの前かも」と推測した。ところが、なんとゴダイゴの写真で、ほぼ同じ片肩丸出し衣装と思われるアサノさんを見つけてしまった。
それは『日本ロック大系:1957-1979(下)』(月刊「オンステージ」編集部編、白夜書房、1990)でのこと。この本には、アサノさんとミッキーのディープなインタビューが掲載されていて面白い。もちろんゴダイゴの写真も数点ある。その一つに片肩丸出し衣装のアサノさんが写っている(p.462-463)。
角度の関係でチョーカーをしているかは確認できないが、おそらくこの衣装は、『僕らのルーツはコレだ!』掲載の、若きヴィジュアル系ロックギタリストと同じ衣裳ではないだろうか。筆者が所有しているのは当該記事のモノクロコピーで、写真が不鮮明だ。だからもしかしたら違うかもしれない。どちらもお持ちの方は、見比べてみてください。
アサノさんの片肩丸出し衣装は、アサノさんだけをトリミングするとスゴイかっこいい。けれど『日本ロック大系(下)』に掲載されているゴダイゴ全体でとらえると、他のメンバーからめちゃくちゃ浮いている!!(^^ )
ほかのメンバーは?
アサノさん以外にも目を向けてみよう。残念ながら、筆者の資料ではドラマー(Tommy?)の姿は確認できない。そしてミッキーやSteveは、うーん、特筆すべき突飛な衣装でもない。
タケはルースに結んだタイが酔っ払ったサラリーマン風。もちろん、額にネクタイは巻いてないけど。タケのこの姿もヘンと言えばヘンだな(ゴメン)。
そしてアサノさんひとりがヴィジュアル系ロックギタリスト。いやぁ、この浮きっぷりを見ると、どうもゴダイゴ用に作った衣装ではなさそうだ。やはりチャコヘル以前の衣装なのだろうか。
アゲハシャツ
あっ、そうそう、またしてもどうでもいいことを見つけてしまった。それはDVD BOX Disc8を見ていた時のこと。“Celebration”(『レッツゴーヤング』1978年10月8日放送)のSteveのシャツに目がとまった。
Steveが着ているのはノースリーブのシャツで、肩から胸にかけて全体的に大きく羽を伸ばしたアゲハチョウがプリントされているもの(以下、「アゲハシャツ」と呼ぶ)。
どこかで見たことがある……。
ステージ衣装なんて、着回ししていたからどうだっていうことはないんだけど……。
なぜかこのアゲハシャツは気になる……。
何か引っかかる……。
あ~~~っ!!
答えは『日本ロック大系(下)』に掲載されているゴダイゴの集合写真の中にあった(p.461)。この写真は、アルバム『西遊記』を買った時(だったと思う)に、もらったポスターと同じものだ。
アゲハシャツだーーーっ!
ココでアゲハシャツを着ているのは、なんとTommy!
『レッツゴーヤング』の“Celebration”でSteveが着ていたシャツに酷似している。たぶん、いや間違いなく同じ柄!!
ポスターで
この集合写真の構図を説明すると、背景は白で、中央に白い上下を着たタケが立っている。タケを他のメンバーが囲む。向かって右側に大きな脚立があり、そこにTommyが腰掛けて……。あっ、そういえば、『新BOX』の『西遊記』に縮小版が同梱されているので、お持ちの方は見てみてください。
この時に撮られたと思われる別の写真が『ゴダイゴ永遠のオデュッセイア』に掲載されている。(ペレ引退試合の左側ページ)。これはTommyを中心にした集合写真で、Tommyのアゲハシャツを真正面から確認できる。
そしてまた、実はゴダイゴファンには最も馴染みのある所でTommyは同じアゲハシャツを着ている。それはアルバム『西遊記』のジャケット。画像処理が施してあるので若干色味が変わっているし、Tommyが腕組みをしているからちょっと分かり難いのだが、アゲハシャツだろう。
モンキー・マジック
もちろんシングル盤「モンキー・マジック」でも、モノクロながら同じシャツを確認することができる。
時系列で考えれば、『レッツゴーヤング』の放送が1978年10月8日で、アルバム『西遊記』の発売が同年10月25日である。『西遊記』のジャケット撮影と『レッツゴーヤング』の収録のどちらが先かは不明だが、時期的にはあまり離れていないと思われる。
以前、YouTubeにアップされていたChar with Godiego(『24時間テレビ』1978年8月27日O.A. アップ主さまありがとうございます)で、Steveがアゲハシャツを着ていたはずだ。確かめたかったのだが、いつの間にか削除されてしまった模様。(見つけた方がいらしたらおしえてください)
このアゲハシャツのナゾを考えてみると、実はこのシャツのメーカーは、筆者が無知なだけで、超有名ブランドの象徴的な絵柄なのだろうか。たとえば一口かじったリンゴといえば、アップルコンピュータみたいに。実はSteveとTommyが偶然同じ/とてもよく似た柄のシャツを持っていても、不思議ではないのだろうか。
それともSteveかTommyかのどちらかが、相手が着ているアゲハシャツをいたく気に入って、ライブ用/写真撮影用に借りた、もしくは貰った、または同じショップにお揃いのシャツを買いに行ったのだろうか。
うーん、アゲハシャツは二枚あるのか、
それとも一枚のアゲハシャツが、SteveとTommyの間をひらひら行き来していたのか……。
ミステリーだ。
なぜか次回「おっ、この衣装は!?-その2-」につづく。
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