朱里エイコさんのために

『タケカワユキヒデ/ホームレコーディング・デモ ARCHIVE SERIES VOL. 8』
"I'll be Your Woman Honey"・"Change Up"

スポンサーリンク

朱里エイコさんのために

『タケデモ08』の解説によれば、"I'll be Your Woman Honey"と"Change Up"は、朱里エイコさんのために作られた曲。

"I'll be Your Woman Honey"は、彼女のアルバム向けに作曲され、一方"Change Up"は、ゴダイゴが朱里さんと共演した三菱エアコンの CM ソングで、朱里さんが歌った。

どちらも残念ながらレコードにはなっていない。三菱エアコンのCMもYouTube にアップされていない模様。(見つけた方がいらしたら、おしえてください。)

朱里エイコさんとは

朱里エイコさんといえば、『キタキツネ物語』でレイラの歌を担当したことで、ゴダイゴファンにはおなじみだろう。

Wikipediaで、ざっくり読んだだけだけど、朱里エイコさんってすごい人だったんだ。

16歳で単身渡米、1970年代にはアメリカのショービジネス界で成功。
リンゴ・スターの食事の誘いを断っていなければ、第二のオノ・ヨーコになっていたかもしれないという。

歌手としての実力が彼女をアメリカでの成功に導いたんだと思うけど、まず彼女の行動力がすごい。
きっとタケと気が合っただろうな。

朱里さんが日本の歌謡曲でヒットを出したとき、筆者はまだ小学生だった。もちろん、彼女の歌を理解することは、到底無理な年齢。

でも、「北国行きで」という歌は印象に残ってた。

久しぶりにYouTubeで「北国行きで」を聴いたけど、うまい!

それに脚が美しい!(脚に保険掛けたという話もある。)

作詞家

YouTubeで「北国行きで」を見て、ふと気付いたけど、この曲の作詞は山上路夫氏。

つまり「ガンダーラ」、「ホーリー&ブライト」、"Return to Africa"、"Java wa Java ~ in the Book of Godiego"等の日本語詞の作詞者。

……あれっ、「旅モノ」つながり……?

ついでに言えば、「旅モノ」でも「銀河鉄道999」と「テイキングオフ!」の日本語詞は、山川啓介氏。
山上氏に山川氏って、字面でしか知らないから、まぎらわしい……。

レイラ、パンチあるな~

話を元に戻そう。

そして筆者は中学生になり、『キタキツネ物語』で、ある意味、「歌手・朱里エイコ」に再会。
当時は「朱里エイコ」って名前を知っている程度。

映画を観て、「レイラ、パンチあるな~」って、思った。

で、今、大人。

朱里さんのレイラを、「キタキツネ物語 ALTERNATE SOUND TRACKS+(長いから以下略)」で改めて聴く-。

やっぱ、パンチあるな~。

筆者だけが感じていることかもしれないが、レイラには朱里さんの歌は強すぎる。

野生のキタキツネだから、ある程度の強さは必要なんだけど、なんとなくレイラのイメージと合わない。
きっと、朱里さんには、レイラは役不足なんだろうな。

Pexels / Pixabay

『キタキツネ物語』では、タケは朱里さんにではなく、レイラに合わせて作曲をしたから、こういうズレが起きちゃったんだと思う。サウンド・トラックなんだから、仕方ない。

朱里さんにぴったり!

『タケデモ08』に収録されてる"I'll be Your Woman Honey"と"Change Up"は、タケが「歌手・朱里エイコ」のために作曲したものだ。

だからレイラより、断然朱里さんにぴったり合ってる。

この二曲ともに、曲自体がいいのは言うまでもないんだけど、筆者は特にタケの歌い方が好きだ。
タケって、デモであろうと<本気で>歌う。だから、ここでは、タケは朱里エイコ。
つまり、タケは「朱里エイコ」をイメージして歌っている。いや、なり切っている。(筆者にはそう聞こえる。)

"I'll be Your Woman Honey"では、メロウ&ダイナミックに。そして、とても艶っぽく。

MartyNZ / Pixabay

ピアノが流れる薄暗いバー。

カウンターに一人座る黒いドレスの女。彼女の前に、ウイスキー・オン・ザ・ロックのグラスがコトリと置かれる。

「あちらの方からです」
バーテンダーが示す先には、かつて……。

一方、"Change Up"では、ボディコン、ミニスカのイケイケねーちゃんで。

まぁ、タケのボディコン、ミニスカ姿は想像できないけど、少なくとも、椅子に浅く腰掛けて、(もしかすると立ち上がってかも)、全身でリズムを取りながらピアノ弾いてるんじゃないか、ってくらいノリノリ。

したがって、この二曲の歌い方に関しては、朱里エイコさんがアメリカで呼ばれていた愛称から、「リトル・ダイナマイト唱法」と呼ぼう。
あ……、タケは……、「リトル」じゃないか。

じゃ、<当時の>タケの美しい臀部(でんぶ)から「セクシー・ダイナマイト」唱法で。
(それも、もう過去の幻…。)

だけど、タケがいくら本気で歌おうと、"I'll be Your Woman Honey"と"Change Up"が、どんなに名曲であろうと、『タケデモ08』は、あくまでも<デモ>にしか過ぎない。

本物のリトル・ダイナマイト、朱里エイコの声で聴きたい。
タケが朱里エイコのために書いたのだから。

もう無理だと分かっていても。

コメント

  1. yutaさん
    コメントありがとうございます。
    せっかくコメントをいただいたのに、しばらくインターネットが繋がらない場所で遊び呆けていたもので、お返事が遅くなってすみません。

    朱里エイコさんのためにタケが作曲した”I’ll Be Your Woman, Honey”は、朱里さんのイメージにぴったりだと思うのですが、未発表なのは、……えっと……、単に他の曲が採用されたからでしょう。

    『タケデモ08』の解説によれば、収録されたとすれば『NICE TO BE SINGING』(ワーナーパイオニア/1978年12月発売)のようです。このアルバムの収録曲について、朱里さん側から依頼があったのか、ゴダイゴ側からの自発的な「プレゼント」なのかは、『タケデモ08』の解説からは判断がつきません。もう30年以上も前のことなので、どちらでもいいのですけどね。

    > デモをぜひ聞いてみようと思います。

    ありがとうございます。(笑)
    朱里さんにまつわる曲は、収録曲18曲のうち2曲です。解説には、朱里さんにかかわる情報は私がここで書いた以上はありません。

    でも、もし朱里さんが”I’ll Be Your Woman, Honey”を歌っていたら、彼女はどう表現しただろうと想いを馳せながら聴くと、感じるものはあると思います。朱里さんファンのyutaさんなら、なおさらでしょうね。

    今後ともタケカワユキヒデをよろしくお願いいたします。(笑)
    あっ、ゴダイゴもです。

  2. 私は反対に朱里エイコさんのファンで、ゴダイゴとの接点を探していたら、この記事を発見しました!
    「キタキツネ物語」で共演したのは知っていましたが、この両者だったら何か他にも残しているのではないかという推測が当たりました(笑)
    「Change Up」の方は、CMに使われたということで知っていましたが、ゴダイゴとの共演だとは知りませんでした。
    貴重な情報を教えて頂いてとてもうれしいです。
    もう一曲の方は全く知りませんでした
    なぜ世に出なかったんでしょうね。
    もしかしたらライヴで歌っていた可能性もありますが・・・
    おサラにはなりませんでした。
    デモをぜひ聞いてみようと思います。
    他にも解説に何か書いてあれば、教えてください!

error:
タイトルとURLをコピーしました