“Monkey Magic” その1

西遊記 表

2013年3月8日ザ・シンフォニーホール(大阪)で開催された「心のケアチャリティコンサート」のMCで、タケが“Monkey Magic”というタイトルについて話したという情報を入手した。

この前タケが書いた本にも、同じようなことが書いてあるんだけど(p.71)、ここではぐっと遡って、THE STUDENT TIMESでのタケと奈良橋氏の連載から、彼らが“Monkey Magic”について語っている部分を見てみよう。(以下、当エントリー記事の引用はすべて“Take and Yoko Chatting About Music 21” THE STUDENT TIMES Friday, February 16, 1979, The Japan Times. p.12による)

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Monkey MagicとMagic Monkeyはどう違う?

Yoko: 最近、Monkey MagicとMagic Monkeyはどう違うのかって聞かれるのよ。
Take: それは簡単だよ。Monkey Magicはシングルで、Magic MonkeyはLPだって答えればいいじゃない。
Yoko: そういう意味じゃなくて、言葉としてどう違うかってことよ。
Take: なるほど。どう違うの?
Yoko: まさか、知らないで歌ってるわけじゃないでしょうね。
Take: 知ってても言わない所がいいんだよ。
Yoko: うまい事言って! つまり、Magic Monkeyはmagic(魔法)を使うmonkey。それに対して、Monkey Magicは、猿まねとか、愚かなmagicという意味で、あくまでもmagicのことなのよね。
Take: Monkey business(いたずら、冗談、いんちき)という時に使うmonkeyなんだね。
Yoko: そうよ。
Take: ただ言葉をひっくり返しただけじゃないって事だよね。
Yoko:  そう、言葉が入れかわると、別な意味になってしまうのよ。

 

つまり、“magic monkey”は「呪術を使うサル」のことで、“monkey magic”は「サルが使う(ふざけた)呪術」のことだな。で、英語圏では主人公の特徴が作品名になった。いわば『リボンの騎士』みたいなものか。

ふむふむ。

Monkey Magicを録音しそうだったアーティスト

続きを見てみよう。

Take:  ところで、これは悲しいニュースなんだけれど、もとパンクの旗手といわれたセックス・ピストルズのベーシスト、Sid Viciousが亡くなったの知ってる?
Yoko: つい最近のことでしょう?
Take:  これは、 彼が生きていれば実現した事なんだけど、彼がMonkey Magicを録音しそうになっていた、というセンセーショナルな情報があるんだ。
Yoko: どういう事なの? だいたい私、破らのことよく知らないけれど、Sid Vicious のViciousは「邪悪な」とか「不道徳な」という意味でしょ。VocalistのJohnny RottenのRottenは「腐った」っていう意味だし、相当に変わった連中らしいわね。

ここから“Monkey Magic”の話までちょっと遠いので、話を要約すると……

1977年にセックス・ピストルズは全米ツアーを行なう。だが「観客と密着した演奏」を望む彼らの意に反し、プロモーターが「concert的な会場ばかりで公演をやらせたので、みんな欲求不満になってしまった」。サンフランシスコで彼らの「欲求不満は頂点に達し」、全員が別々の曲を一斉にステージで演奏したりする。「それがもとで」セックス・ピストルズは解散になる。その後色々あり、Sid Viciousは殺人の容疑で逮捕される(彼は無罪を主張していた)。

彼は裁判中にMost Humane Artist Of the Year(今年のもっとも人間的なアーティスト)に選ばれる。

Take:その結果、彼(tiara_remix注:Sid Vicious)のマネージャーは彼にold standardsやlove songsを歌わせようとしていたんだ。そんな時、僕らのディレクターと会ってMonkey Magicの話になったらしいよ。Monkey Magicでは孫悟空を“punkiest monkey"と呼んでいるくらいだから、punkとは全然関係がないわけじゃないけどね。
Yoko: 実際の曲では、 とても楽しい意味でMonkey Magicを使っているんだけれど、この場合は、本当に悲しいMonkey Magicになってしまって、残念ね。
Take: でも、近いうちに楽しい方のMonkey Magicがイギリスで見られるはずだから、平気なんじゃない?
Yoko: そうね。それがMonkey Magicじゃなくて、本当のMagicになるといいわね。

ここで記事は終わり。

それにしても、なんて脳天気で唐突な終わり方なんだろう。(^^;)

ということで、ここでも唐突に「“Monkey Magic”その2」に続く。

ゴダイゴ
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コメント

  1. モンキー・マジックか、マジック・モンキーか。
    大学生だった私が、初めてモンキーマジックを聞いた時、どこが良いのか分かりませんでした(^^;)。
    ただ、子供向けの番組のオープニング曲でヒットしていたことと、ノリの良いリズムだったことと、全部が英語の歌詞だから洋楽っぽくて、子供がカッコよく感じるだろうことは、分かりました。
    アルバムがマジック・モンキーなのは知っていましたが、音として、語順を逆にしたモンキー・マジックの方が聞きやすいからかなぁとしか考えていませんでした。
    モンキーマジックの意味を知っていて、曲にした奈良橋陽子さんも、そこから文章を紡いでおられるtiara_remixさんも、凄いです!

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