Oops! It appears that you have disabled your Javascript. In order for you to see this page as it is meant to appear, we ask that you please re-enable your Javascript!

宮川泰氏とゴダイゴ-その3-(最終回)

すごーーくお時間がある方は↓からどうぞ。
宮川泰氏とゴダイゴ-その1-
宮川泰氏とゴダイゴ-その2-

スポンサーリンク

チビッコたちのアイドルグループ

前回見たように、宮川氏は、“Beautiful Name”や「銀河鉄道999」を絶賛する。

その一方、ゴダイゴが「自分たちの音楽を作ろうとする素晴らしい姿勢」とは「裏腹に、現実にゴダイゴはいまやチビッコたちのアイドルグループ」であることが気になっていたようだ。

宮川氏が「チビッコたち」と言うように、間違いなくゴダイゴのファンは子供(小中高生)が多かった。筆者もその一人だった。当時のライブレコードや映像、テレビ番組を録音したカセットテープを聴くと、それがよく分かる。

バンドとしては、当然ファンが多い方がいいに決まっている。しかしファンが低年齢であるが故に常軌を逸した行動がどれほどあっただろうか。ライブ会場では声援でMCが聞こえなかったり、演奏が始まっているのに音楽を聴かずに掛け声が飛び交う状況に、当時、苛立ちや落胆はなかったのだろうか。ミッキーやアサノさんは、そのような状況に慣れていたのかもしれないが、想定より、実際に受け入れられたファン層が若すぎた結果を、本心ではどう思っていたのだろうか。

子供たちのためのファッション・ソング

宮川氏のコラムに戻ろう。

宮川氏は「ひょっとして、(ゴダイゴは)子供たちのためのファッション・ソングをうたうことを強いられているんじゃないか? と気にもなる」と続ける。

確かに1979年のディスコグラフィを見ると、国際児童年のテーマソング“Beautiful Name”はともかくとして、“Where’ll We Go from Now”を除き、アニメ「銀河鉄道999」や、寓話的なドラマ『西遊記Ⅱ』のテーマソングが目立つ。だからシングル盤だけに注目すれば、ゴダイゴが歌っているのは「子供たちのための」曲であるように見える。テレビ番組のテーマソングをシングルリリースしているのだから、無理はない。筆者は“Magic Capsule”もタイトル、詞の内容から子供たちのための曲だと理解されても仕方がないと思う。

宮川氏は、ゴダイゴの何が「チビッコたち」にウケているのかと疑問を投げかける。

(ゴダイゴは)高度な音楽性と関係なく、カッコ良さがウケているのか。それはそれとして、レコードの録音の良さからか、歌唱が優れているのかと思っていると、少なくともテレビで観る限りでは、タケカワ君の歌は決してうまくはない。彼の声質、声量、パワー、リズム感、それに英語も舌足らずになんとなくツルツル滑っているようで、不完全だと私は感じる。今後の飛躍のため、あえて苦言を呈したい。(「サウンド解剖学 24」『朝日新聞』朝刊、1979年10月26日p.31)

それでも宮川氏は、最後に「ガリ勉秀才クラス委員型ゴダイゴ」とまとめ、「大いにやってくれ」を3回繰り返してエールを送り、コラムを締めくくっている。

タケの「不完全な」ボーカル説に関しては、宮川氏ほどの音楽家が指摘するのだから、そうかもしれない。しかし、英語に関しては、筆者は生粋の日本人だけれども、ゴダイゴのおかげで早くから洋楽も聴くようになったし、あれから30年以上経つので英語を聞くことにはかなり慣れた。そのような筆者が今、タケの当時の英語を聴いても、「舌足らずになんとなくツルツル滑っているよう」には聞こえない。もちろん、完璧ではないけれど、英語に関しては言い過ぎのように思う。

『紅白歌合戦』出場歌手へむけて

さらに、宮川氏は年末には同コラムで『紅白歌合戦』出場歌手それぞれに向けて一言書いている。ゴダイゴが出場している1979年と1980年には、ゴダイゴ宛てにも書いているので、その回も見てみよう。

ゴダイゴは1979年に“Beautiful Name”で『紅白歌合戦』に初出場を果たす。この時の宮川氏の一言は次のとおりである。

ゴダイゴ=たとえ英語でも日本人のおとなの心を掴(つか)め。(「サウンド解剖学 32」『朝日新聞』朝刊、1979年12月21日 p.26)

そして翌年、1980年“Portopia”で出場した際には次のように書いている。

ゴダイゴ殿 一連の英詩の曲は子供たちの英語の教材としての価値も高い。演奏・編曲も超一流。残るは歌唱のみ。期待します。(「サウンド解剖学 82」『朝日新聞』夕刊、1980年12月24日 p.6)

上記の1980年の言葉は、宮川氏が褒めたとされる“Return to Africa”(1980.2.10)発売の後である。宮川氏は、ゴダイゴが大人より子供に圧倒的に受け入れられていたことと、ボーカルの不完全さの2点がよほど気になっていたのだろう。2年間で同じようなことを3回書いている。

ちなみに、ゴダイゴの3回目の『紅白歌合戦』出場は、1999年の期間限定再結成まで待たなければならない。

『サウンド解剖学』

この宮川氏のコラムは、ゴダイゴ以外のページも結構面白い。プロの音楽家が、他のプロの音楽家の作品を『朝日新聞』という表立った場所で、それでも遠慮なく具体的に分析・批評をしているのがとてもいい。このコラムはきっと評判が良かったのだろう、連載終了後、タイトルはそのまま『サウンド解剖学』(中央公論社 1981)で単行本になっている。

残念ながら現在は廃刊のようだが、所蔵している図書館は多いと思う。もし単行本の所蔵がなければ、『朝日新聞』なら、どこの地域図書館でも縮刷版があるはず。もしその図書館が『朝日新聞』のデータベースと契約しているならさらに便利だ。

ゴダイゴが扱われた第24回(1979年10月26日、朝刊、p.31)だけでも、是非、原本でのご一読をおすすめしたい。ほんの数小節だが楽譜が掲載されている。
『朝日新聞』の縮刷版で読む際には、天眼鏡または拡大コピー用のコインをお忘れなく。
絶望的に文字が小さいから。

最後に、宮川泰さん、1979年のゴダイゴに焦点をあて、率直に分析・批評してくださってありがとうございました。そして素晴らしい音楽をありがとうございました。
心よりご冥福をお祈りいたします。

参考資料

「アフタヌーンパラダイス」FM世田谷 2012年5月10日O.A. (生放送)
『日本ロック大系:1957-1979(下)』月刊「オンステージ」編集部編、白夜書房、1990、p.460
宮川泰「サウンド解剖学 16」『朝日新聞』朝刊、1979年8月31日、p.31
—–「サウンド解剖学 24」『朝日新聞』朝刊、1979年10月26日、p.31
—–「サウンド解剖学 32」『朝日新聞』朝刊、1979年12月21.日、p.26
—–「サウンド解剖学 82」『朝日新聞』夕刊、1980年12月24日、p.6
—–「サウンド解剖学 99」『朝日新聞』夕刊、1981年5月20日、p.9
Nayutawave Records GIDIEGO Discography 閲覧日2012/05/13
Wikipedia 「ゴダイゴ」閲覧日2012/05/13
Wikipedia 「宮川泰」閲覧日2012/05/13
「宮川泰氏とゴダイゴ」おわり。
付録1 「宮川泰の指揮による交響組曲『宇宙戦艦ヤマト』」


付録2 宮川泰氏インタビュー(日本テレビ音楽株式会社サイト)

ゴダイゴ
スポンサーリンク
tiara _remixをフォローする
Miscellany

コメント

error: