“Laughing in the Sunshine”

Activedia / Pixabay

『キタキツネ物語 ALTERNATE SOUND TRACKS+タケカワユキヒデ ホームレコーディングデモin1978』
今回は“Laughing in the Sunshine”(「小さな翼」)に焦点を当ててみたい。

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絶対英語至上主義だけど

まず、日本語の歌詞がいい。

加えて、日本語にもかかわらず、タケのボーカルがとてもいい。きちんと何を言っているのか、何を言いたいのかがわかる。それがストレートに聴く側に伝わってきて、抵抗なく心に染みこむ。

筆者はゴダイゴに関しては、初期(70年代)から「絶対英語至上主義」だ。ファンにあるまじき行為ではあるが、日本語詞であるがゆえにスキップする曲もある。

しかし一方で、不思議なことに、他の日本人の歌は英語が入っていると逆に不愉快になる。「日本人なんだから日本語で歌え! 日本語は美しい言葉だ!」と、強く思う。最近は特に。矛盾しているが、人間なんてそんなものだ。

2コも覚えられん……orz

それはさておき。ゴダイゴファンになったのが、ちょうど学校での英語の授業が面白くなってきた時期で、「日本語ダサーい!」とか言って、邦題を覚える気なんてさらさらなくて、日本語の歌なんて「オエーッ」、という生意気なティーンだった。だから当時からゴダイゴの曲名は原題で呼んでいた。それが原因で、未だに邦題が分からない曲が多い。

「ティーンの魂百までも」という諺がある。ないか。

あれから30年経った。記憶力の衰えとは恐ろしい。もはや、一曲に対してタイトルを二つも覚えることは無理だ。

だから曲名を言ったり書いたりするときは、どうしても原題でないと語りにくい。読んでいて違和感がある方は、筆者をそういう「残念な人」だと事情をお察しいただければありがたい。

チニタの歌

話を戻そう。

「絶対英語至上主義」の筆者ではあるが、生粋の日本人なので、やはり日本語の方がストレートに伝わってくる。けれどもその分、いいのか悪いのか分からないが、言葉に敏感でもある。

『キタキツネ物語』に関しては、全体的に歌詞が秀逸だ。これは映画の助監督の三村順一氏による詞で、キタキツネを見守ってきた彼だからこそ書けたのだろう。

“Laughing in the Sunshine”に関しては、歌詞、曲、ボーカル、演奏、コーラス、全てが調和し、チニタの素直さや一途さを物語る。それでいて彼の運命を示唆するサウンドは、どことなくもの悲しく、聴く者の心にぐっと迫ってくる。名曲だと思う。

disc2の『キタキツネ デモ』版も、シンプルでなかなかいい。

1981年のLIVE

さて、YouTubeにアップされている1981年のDENON LIVEをご存知だろうか。

とにかく、ゴダイゴファンならこのライブは全曲必聴だ。

筆者はこのライブをYouTubeで初めて聴いた時、「ゴダイゴが好きだーっ!」という気持ちがこみ上げて、うるうるきた。

今年の6月の話だから、つい最近のことだ。

もし万が一まだ聴いていない方がいらしたら、是非、是非、お聴きになることをおすすめする。
(このUP主さんはスゴイ! 本当に、本当にありがとうございます。(涙))

そのDENON Liveから、今日のテーマの“Laughing in the Sunshine”を抜粋しよう。
リードボーカルはトミー。


なんて英語がうまいんだろう。……あたりまえなんだけど。

もう、最初の“I”の発音が完璧!

発音記号で書くと“ái”。

“a”という音が出ている喉の位置と口腔内の広さが違う。
“a”は、目立たないけど、これがうまくできるととても英語らしく聞こえる。

もちろん、タケの発音だっていいと思うけど、“a”までは、神経が行き届いていない。
まぁ、そこまで厳密にしなくてもいい音でもある。(と、大学の「英語音声学」の授業で、燦然と光り輝く「D」を食らった筆者が言うのもどうかと思うが。ちなみにE以下が落第。要はギリギリ。全出席なのに……orz。お情けで単位もらったようなものだ。ホント、危なかったな~。)

Tommyのボーカルがステキ

あ、また話が逸れてしまった。

Tommyのボーカルは表情が豊かだ。Tommyの“Laughing in the Sunshine”はタケのボーカルで表出した素直さや一途さに、「健気さ」が加わる。

タケのボーカルも好きだが、この曲に関してはTommyのボーカルで正解だと思う。チニタを包み込むようなコーラスもいい。

Tommyの“Laughing in the Sunshine”を聴いていると、なんとなくチニタが波打ち際に立って、不思議そうな顔で、さざ波に聞き耳を立てている姿が浮かぶ。

チニタは、大きくなったり小さくなったりを絶え間なく繰り返すこの音が、一体どのようなものか正体を確かめようと、見えない目をじっと凝らして海を見つめている。

そして波に誘われるまま、歩を進める-。

海がボクに言うんだ

「自由になれよ」って

そんな健気なチニタに泣ける。

コメント

  1. メグメグ さん
    コメントありがとうございます。

    「キタキツネ物語」サントラ、すごくいいですよね!
    私は町田義人さんの声も「戦士の休息」(映画『野生の証明』テーマ曲)以来、大好きなので、町田さんのボーカルもたまらんです。

    「キタキツネ物語」のタケデモ版も、シビレまくっているのですが(^^ )、やっぱりゴダイゴ版で聴きたくなります。

    今のところ、ライブでしか聴くことができないのが悔しいです。
    今年は、座間かシブコーのどちらかで演奏してほしいな~。

  2. このサントラ大好きです。いまだに。
    「キタキツネ物語」、当時サントラが手に入らなくて地元ラジオ局の深夜ラジオ番組でリスナーの人にダビングしてもらった記憶があります。
    その中で一番なのが「小さな翼」チニタの気持ちがとても表現されていて、タケの声がなんとも言えずナミダを誘うというか…
    女性のバラードを作ったことがないから難しかったと言ってましたが、「Time For You To Go」の原曲もかなりいいと思います。
     
    って言うか、全体的にすばらしい!!
    このサントラ、やっぱり今もすごく好き!

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